家を建ててもらう会社の選び方は?

一軒家の購入はいつの時代も人生の一大イベントです。

 

ほとんどの人にとって初めての出来事。何をしたら良いのか困ってしまったり、誰に相談したら良いのか迷ったりしている人も多いのではないでしょうか。
特に注文住宅の場合は分からないことだらけです。自分の好きなように家を建てられるのは魅力ですが、その分選択肢も決めなければならないこともたくさんあります。
そうすれば失敗せずに素敵なマイホームを手に入れることができるのでしょうか?

 

 

◯注文住宅の評価はとても難しい
注文住宅はその家族に合わせてオーダーメイドで家をつくります。あらかじめ完成している製品を買うのとは違い、購入を決めた時点ではどんな家になるか正確には分かりません。

 

その人の要望にあわせて家を建てるため、同じ家は2つとありません。どんな場所に建てるかによって全く同じ建物でも評価は変わってしまいます。他の人が建てた家と比べるのも簡単ではありません。

 

住宅の性能は各社でデータを公表していますが、あくまでサンプルの住宅で計測したデータです。自分が立てた住宅でも同じだけの性能を発揮するとは限りません。
実際にその住宅がどれだけ快適で暮らしやすいのかは、住んでみないとなかなか実感できません。

 

住宅が完成してから「思っていたのと違う!」というのは非常によくある注文住宅失敗です。
このような失敗を減らすためには、建てたいと思っている住宅にマッチした住宅会社に家を立ててもらうことが大切です。

 

 

◯実力と実績のある会社に依頼する
注文住宅の依頼先の候補となるのは、ハウスメーカー・工務店・設計事務所などがあげられます。

 

さて、日本で住宅の建設が可能な「建設業の許可」を得ている会社の数は全国で約47万件もあります。
注文住宅以外の建売住宅なども含めた場合、1年間に建てられる住宅の数は約97万件。建設可能な業者の数からすると、半分しかありません。大手ハウスメーカーの積水ハウスが1年間で建てる住宅が約2.5万件で、1社で全体の2%を占めていることになります。

 

ここから推測できるのは、年間でどれだけの住宅を建てているかは、業者によって大きく差があるということです。建築業の許可があり、住宅を建てることができたとしても、十分な実績と経験がなければ良い住宅を建てることはできません。
もちろん数さえ多ければ良いとは限りませんが、それでろくに注文住宅を扱っていない業者に依頼するのは避けるべきです。

 

すでに述べたように注文住宅はオーダメーメイドの商品です。
ある程度は共通化されているとはいえ、設計も工事の内容も建てる土地の状況も現場によって異なります。建売住宅に比べると高い技術が求められる場面が多いです。
設計やプランについて考える際にも実績は重要になります。施主のオーダーにあわせてどれだけ良い提案ができるかは、担当者がどれだけ場数を踏んできたかということに大きく左右されます。

 

◯家づくりのパートナーをどうやって選ぶか
注文住宅の評価は難しく、無数にある業者の中から適切なものを探し出すのは大変です。

 

直感で決めてしまうのはよくありません。その場の感情に任せてしまうと、営業マンのセールストークや自分の体調からくる期限の良し悪しに影響されることになってしまいます。
冷静に判断するためには、何らかのものさしが必要です。

 

そこでおすすめなのが、ポイント別に各業者について評価し、その中から優先順位を考慮した上で最も良いものを選ぶという方法です。

 

例えば、住宅会社について見るべきポイントには次のようなものがあげられます。

 

・価格
・断熱性
・気密性
・耐震性
・耐火性
・耐久性
・住環境
・住みやすさ
・自由度
・デザイン
・安心感
・技術力
・品質
・メンテナンス性
・アフターサービス

 

この他にも重視する項目があればどんどん追加しても構いません。
全体を漠然と比べるのではなく、個別のポイントに分けて考えることで比較しやすくなります。

 

◯住宅の性能を比較する
住宅の性能について比べる際の指標として便利なのが「住宅性能表示制度」と「長期優良住宅」の2つです。

 

●住宅性能表示制度
住宅性能表示制度は平成12年に施行された法律に基づく制度で、良質な住宅を安心して取得できる住宅市場を形成するためのものです。
住宅の構造耐力や省エネルギー性、遮音性などに関する表示に一定の基準を設けることで、消費者が性能を比較しやすくなりました。性能の評価は第三者が客観的な立場で行うため、信頼性が高いです。

 

住宅性能表示制度は新築の注文住宅だけでなく、建売住宅や中古住宅、マンションなどの集合住宅にも対応しているため、広く住宅の性能を比較するのに適しています。

 

制度では、住宅の性能を次の10分野32項目に渡って評価します。

 

住まいの性能をはかる10分野
・構造の安定
・火災時の安全
・劣化の軽減
・維持管理更新への配慮
・温熱環境
・空気環境
・光、視環境
・音環境
・高齢者等への配慮
・防犯

 

性能をアピールし、消費者が住宅を選びやすくなるように住宅性能表示制度へ対応している業者は非常に多いです。

 

出典:2000万円の家

 

●長期優良住宅
長期優良住宅は、長期間に渡って住宅を良好に使用できるような措置が講じられている住宅です。

 

長期優良住宅の認定を受けるために必要な条件は次の4つ。
・長期に使用するための構造及び設備がある
・居住環境等への配慮を行っている
・一定以上の住戸面積がある
・維持保全の期間や方法を定めている

 

長期優良住宅の認定は、新築の時以外に、増改築の際にも受けることができます。

 

長期優良住宅に認定されると、住宅の質が一定以上あることが証明されるだけでなく、将来的に発生するメンテナンスのコストを抑えることにも繋がります。
さらに、長期優良住宅は各種減税や補助金の条件にもなっています。長く住宅の価値が維持されることが期待できるため物件評価も高く、住宅ローンの金利を下げることができたり、審査通過路に有利になったりもします。
これから新築住宅を建てるなら、可能な限り抑えておきたい制度です。

 

●長期優良住宅を建てる場合は実績を必ず確認
住宅の性能を重視するなら、住宅性能表示制度と長期優良住宅は確実に抑えておきたいポイントです。ただ。
ただ、注意しておきたいのは、住宅性能表示制度はあくまでも性能を表示するためのものでしかないということです。たとえ住宅の性能が低くても導入できます。住宅性能表示制度に対応していても、必ず高品質な住宅とは限りません。
一方、長期優良住宅は一定以上の性能がなければ認定されません。長期優良住宅というだけである程度の機能性が期待できます。

 

また、長期優良住宅を依頼の際は業者に実績があるかどうかの確認も大切です。
長期優良住宅の認定を受けるには、着工前に申請が必要です。不慣れな業者だと、申請のタイミングを間違えたり、直前になって必要な条件を満たしていないことが発覚したりなどのトラブルが発生するおそれがあります。
長期優良住宅の認定は住宅ローンの金利や補助金、減税などにも関わるため、万が一認定が受けられなくなると資金計画にも影響を及ぼします。

 

これまで長期優良住宅を扱った経験はあるか、制度に対して正しい認識を持っているかなどが業者選びの重要な鍵になります。

 

◯住宅会社の信頼性について考える
●住宅が無事完成するかどうか
家を建てる際に最も怖いのが、建築途中で依頼した業者が倒産してしまうことです。
中途半端に建築が進んだ建物だけ残されても、素人にはどうしようもありません。前金や手付金が戻ってくるかも分かりません。

 

規模の大きいハウスメーカーに依頼すれば、建築中の倒産リスクはかなり小さくなります。万が一のことがあっても、別の会社が拾ってくれる可能性も高くなります。

 

中小規模の業者に依頼する場合でも「完成保証」があれば倒産リスクに怯える必要はなくなります。
これは万が一建築中に会社が倒産しても、別の業者が責任を持って住宅を完成させることを保証する仕組みです。
ただ、対応している会社はあまり多くないため、中小規模の業者に依頼する前には完成保証があるかどうか確認しておくと安心です。また、完成保証の利用数に制限を設けている場合もあるため、実際に利用可能かどうかも聞いておきましょう。

 

●住宅に欠陥があった場合の対応
住宅に見えない重大な欠陥があった場合売り主が責任を持つ瑕疵担保責任というものがあります。
住宅の構造や防水に問題があった場合、補修や引っ越しのための費用を支払うというもので、建築会社はこのための瑕疵担保責任保険への加入が義務付けられています

 

ただ瑕疵担保責任の対象となるのは、構造や防水など最重要部分のみであるため、その他の部分に関する不備や欠陥については対象外です。

 

●第三者によるチェック
自社による品質管理の一環として、現場の検査を行っている業者は多いですが、自社検査である以上、どこまで信用できるかは分かりません。

 

自分自身でこまめに現場を確認するもの有効な方法ではありますが、現場が遠い場合は何度も足を運ぶのは難しいですし、素人目で分かる範囲には限界があります。

 

そんな時に活用したいのが第三者によるチェックです。
住宅の品質や安全性を高めるため、第三者機関による現場や住宅のチェックを実施している業者もあります。自分で品質チェックを専門としている業者に依頼することも可能です。

 

ちなみに、住宅性能表示制度を利用する場合、評価のために最低でも4回の現場チェックを行う必要があります。住宅の性能を知るだけでなく、現場の施行についても確認できるので一石二鳥です。

 

◯デザインで会社を選ぶ
デザインの良し悪しは個人の好みによりますから、明確な基準はありません。各社の施工例などを色々見比べ、気に入るものを探しましょう。

 

住宅の雰囲気は会社によって違います。使っている壁紙や建具によって左右される部分も多く、同じような色のものを組み合わせても、他の会社の部屋と同じ雰囲気にできないこともあります。どうしても使いたい色や素材があるなら、標準仕様にそれが含まれている業者を選びましょう。

 

●木造住宅でデサインにこだわる際の注意点
もし木造住宅で凝ったデザインや間取りの家を建てる場合は、必ず木造建築を得意としているところに依頼しましょう。

 

日本の伝統的な住宅が木造であるため、木造住宅はオーソドックスな建築と捉えてしまいがちですが、コンクリートや鉄骨に比べて強度を確保しにくく、防水にも気を使う必要があります。そのため、木造住宅でこだわった設計や変わったデザインを実現するためには、専門の知識が必要になります。

 

設計者によって得意分野はそれぞれです。木造住宅を得意とする人もいれば、鉄筋コンクリート伸びる建築の設計を得意とする人もいます。良い家を建てるなら、木造住宅は木造が得意な人に、鉄筋コンクリートならそれが得意な人に依頼するべきです。

 

デザインに限らず、得意なところに頼むことは重要です。他の会社で使われていた技術や素材やデザインがいくら魅力的でも、他のところに「同じようにつくって」と依頼するのはリスクが高いです。

 

◯アフターサービスの重要性
快適な生活を続けるためには適切な手入れと定期的なメンテナンスがかかせません。質の高い丈夫な家を建てても、しっかりと管理を行わなければあっという間に傷んでしまいます。
メンテナンスの重要性は、住宅性能表示制度や長期優良住宅の項目に維持管理の項目があることからも明らかです。

 

住宅を長持ちさせるコツは、問題をいち早く発見し、早めに対処することです。問題が大きくなる前に補修を行うことで重大な問題となるのを予防し、補修にかかるコストを抑えます。
そのために必要となるのが、定期的な点検です。

 

引き渡し後のアフターケアについては、大手ハウスメーカーのものが圧倒的に優れています。点検やメンテナンスのための子会社によって、数十年にもおよぶ長期的なアフターサポートを実現しています。

 

規模の小さい工務店が同様のサポートを行うのはあまり現実的ではありません。たとえ長期の点検計画を建てていても、20年後30年後まで会社が存続しているかどうかすら分かりません。
ただ、最近では中小規模の住宅会社でもサポートに力を入れ、10年以上のサポートを行う業者も増えています。
保証やサポートの長さは各社でかなり差があるので、よく確認の上比較しましょう。

 

メンテナンスや点検を行う場合は、いつ何を行ったかの記録も重要です。業者で記録や計画をしっかり残してくれていることもありますが、自分の家のことですから手元にも書類を残しておくのがおすすめです。

 

◯設計事務所と工事
設計事務所は注文住宅の依頼先候補の一つです。
設計のエキスパートに依頼できるため、デザインや間取りにこだわった家づくりが可能です。

 

設計事務所に依頼する場合に気をつけておきたいのが、どこまで家づくりを行ってくれるかということです。

 

同じ設計事務所でも、設計のみを行うところもあれば、現場の建設工事も請け負っているところもあります。
建設工事も行う設計事務所であれば、工務店やハウスメーカーに依頼したときと同じように、設計から引き渡しまで一括で任せられます。
しかし設計のみを扱っている場合は、建設を工務店に依頼しなければなりません。現場で工事を行う工務店は、設計事務所が指定することもあれば、自分で決めなければならない場合もあります。
依頼する前にどこまでを請け負ってくれるのかはよく確認しておきましょう。

 

ちなみに、設計のみを行う設計事務所の方が設計料は高くなる傾向にあります。

 

◯様々な視点で比較して最も良い会社を見つけよう
注文住宅づくりを選ぶパートナー選びには様々な視点があります。
全てにおいてパーフェクトな住宅を建てるのは現実的ではありませんから、重視するポイントを決め、優先順位をつけながらより良い住宅会社を探してゆきましょう。